半導体システム工学 研究室

研究室紹介

半導体システム工学 研究室 / 安田 彰 教授

■ 研究テーマ

-概要-
LSI(半導体集積回路)は、スマートフォンをはじめとする携帯電話やタブレットPC、さらにはEV(電気自動車)など数多くの機器を制御するため使われており、我々の生活をより便利で豊かにしています。安田研究室では、“デジタル直接駆動技術”を中心に、従来よりも高精度で低消費電力の制御技術を提案し、より良い未来を実現するLSIの研究開発を行っています。
1.高精度AD/DAコンバータ
アナログ-デジタル(AD)、デジタル-アナログ(DA)変換器は私たちアナログの世界とコンピュータが処理するデジタルの世界をつなぐインターフェースです。携帯電話の通信やスマートフォンのタッチセンサーなど、さまざまな用途で使われています。私たちの研究室では、その中でも高精度・低消費電力の変換器の研究を中心に行い、さらなる高性能化を目指しています。
2.RF回路設計/PLL
携帯電話の小型化や、ネットワークの高速化に伴い、これらを支える高速クロックを生成するPLL(位相同期回路)の需要はますます高まっています。PLLは様々な機器で用いられることから、高速・低価格・低雑音など、さまざまな要求があります。私たちの研究室では、実際にICを試作し、評価することで、その特性の向上に励んでいます。
3.デジタル直接駆動スピーカ
現在、CDやDVDに代表されるように、音声信号はデジタル信号として記録されています。オーディオシステム全体がデジタル化される一方で、スピーカは未だにアナログ駆動が主流となっています。そこで私たちはマルチビットデジタル回路のスピーカを構成することで、アナログスピーカと比較して省面積かつ低消費電力のスピーカの研究を進めています。
4.デジタル直接駆動モータ
モータは産業機器、空調、乗り物、家電製品など、身の回りの様々な所に使用され、日本の全消費電力のうち、50%以上をモータが占めています。そのため、モータの低消費電力化が大きな課題となっています。私達の研究室ではデジタル直接駆動に関する研究を行っており、この技術をモータへ応用する研究に取り組んでいます。
5.アナログLSI設計支援ツール LSIは1度の試作に、数十万から数百万の費用がかかるため、失敗のリスクを減らすため、膨大なシミュレーションによる検証を行います。そのためシミュレーションに費やす時間と労力は大きく、そのノウハウを引き継ぐだけでも一苦労です。私たちの研究室では、Web ツールを用いてシミュレーションの最適化を行い、それらの結果をネットワーク上で管理することで設計工程の効率化を図っています。

■ 研究成果、学会活動等

SSCC/IECON/AVIC/ICCE/AES/応用音響研究会/電子回路研究会/シリコンアナログRF研究会/電気電子情報通信学会etc…

■ 研究設備、機材(抜粋)

・CAD室
・実験室
・マイクロナノテクノロジー研究センター
・デジタルオシロスコープ

様々な電気信号を測定できる

・RFネットワークアナライザ

RFコンポーネントの高速・高精度測定に用いる。

・ロジックアナライザ

様々なロジック解析機能を装備している

・ベクトル信号発生器

AM、FM、パルス変調とさまざまな信号を作成できる。

・プローブステーション

低電力・低雑音・低キャパシタンス環境での測定に用いる。

・オーデイオアナライザ

周波数応答測定、デジタルインターフェイスの解析とさまざまなオーディオ測定に使用する。

・インピーダンスアナライザ

インピーダンス解析をするときに使用する。

・無響箱

無響で測定するための装置。

・基板加工機

作成したチップを測定するための基板を作成する装置。

・電波暗室

外部の電磁波などの影響を受けないように、部屋を隔離して測定する。

・プローバー

設計した基盤を顕微鏡で見る機器。

■ 研究室行事

新入生歓迎会/お花見/BBQ/研究発表ゼミ合宿/技術展示会/スキー合宿/忘年会/追い出しコンパetc…