電気電子工学修士課程1年 竹谷和真 さん(柴山純研究室)が 電子情報通信学会 エレクトロニクスシミュレーション研究専門委員会 エレクトロニクスシミュレーション研究会優秀論文発表賞(若手部門)を受賞されました.

2023/03/27

電気電子工学修士課程1年 竹谷和真 さん(柴山純研究室)が 電子情報通信学会 エレクトロニクスシミュレーション研究専門委員会 エレクトロニクスシミュレーション研究会優秀論文発表賞(若手部門)を受賞されました.
受賞日時:2023年3月7日
受賞論文:
 1) 任意形状誘電体解析のためのCP-EP法に基づくFDTD法の3次元問題への拡張
 2) 任意形状分散性媒質解析のためのDCP-FDTD法の3次元問題への拡張
内容:電磁界現象を数値計算するための最も利用されている手法としてFDTD法があります。FDTD法では直交セルが用いられているため、解析対象が曲面などの任意形状を持つ場合には、形状を階段状に近似表現する必要があり、計算精度が悪化します。本研究では、セル内に部分的に含まれる誘電体形状を評価し等価的な誘電率を導出する方法を、実際の計算で重要な3次元問題に拡張しました。通常の誘電体に加え、金属などの分散性誘電体にも拡張し、3次元での任意形状の解析対象を精度よく計算することに成功しました。
今回開発した手法を用いれば、人体などの複雑な形状を持つ誘電体モデルや、微小な金属球のような分散性誘電体モデルの電磁界問題を正確に計算できるようになります。大きなセルでも良い精度で計算できるので、従来のFDTD法に比べて計算が極めて短時間ですむ利点があります。電波からテラヘルツ波、光波帯まで、すべての3次元電磁界問題に適応可能であり、研究やデバイス開発の効率化に威力を発揮します。