電気電子工学専攻修士課程1年 中坂日南さん(柴山純研究室)が、電子情報通信学会で「学術奨励賞」を受賞されました。

2024/03/18

【受賞者】中坂 日南 (電気電子工学専攻修士課程1年)
【学会名】電子情報通信学会
【受賞日】2024/03/05
【受賞名】学術奨励賞
【受賞論文】
  1) 周期長を考慮したプラズモニックグレーティングカップラの結合特性
  2) 有限周期構造におけるプラズモニックグレーティングカップラのFDTD解析
【研究内容の概要】
  電子情報通信学会学術奨励賞は、電子工学及び情報通信に関する学問、技術の奨励の
  ため、有為と認められる新進の科学者又は技術者に贈呈されます。電子情報通信学会
  母体の賞であり、33歳未満の若手に贈られる名誉ある賞です。

中坂日南さんは、プラズモニック導波路を用いて光信号を効率よく伝送するための、新たな光結合構造を考案しました。導波路へ光を結合させるためには、グレーティングと言われる周期的構造の上部から光を入射します。これまでは、長方形のグレーティングが用いられていましたが、光を垂直入射するとグレーティングの両方向に光が伝搬してしまいます。グレーティングを光リンクに用いると半分のパワーを捨ててしまうことになります。傾斜入射を行えば光の一方向伝搬が可能ですが、入射角の制御が困難です。

そこで中坂日南さんは、垂直入射でも光を一方向伝搬できるグレーティング構造を考案しました。具体的には台形状のグレーティングを導入し、垂直入射の光を導波路に斜めに入射できるように工夫しました。台形の上底と下底の長さを、スネルの法則を用いて設計。その結果、特に難しい制御の必要のない垂直入射の状態で、光の一方向伝搬を可能にしました。これにより、光リンクにおいて入射光を効率よく利用できるようになりました。